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第11話 美咲の昔話

作者: satomi
last update 最終更新日: 2025-12-07 07:29:55

「颯斗に戻ってきて欲しかったのよ~」

 そう言った時に颯斗が赤面したので驚いた。ちょっとやそっとじゃ動じないと思ってたから。

 颯斗に夕飯の料理について聞かれたけど、疲労回復しそうなものってすごい抽象的な答えをしちゃったけどいいのかな?もっと具体的に料理名を出した方が良かったのかな?私にはわかりかねる。

 家に帰って驚いた。

 もっさりした颯斗の作り方。ビシッとした髪をぐちゃぐちゃわしわしとして、服を着替えるだけ。それでもっさりした颯斗が完成する。

 人間、第一印象で決まるっていうけど、颯斗はスゴイな。

「おっ、俺を見てどうした?」

「いや、ビシッとした颯斗からもっさりした颯斗にあっという間に変身って感じですごいなって見惚れてた」

「なんだそれ?仕事バージョンの俺から、普段の俺への変化がそんなに面白いか?」

「ビシッとしてれば秋波の嵐でしょうけど、普段の颯斗だったらぜーんぜん秋波とは無関係に生活してそうだなぁ。と思って」

「なるほど。それはあるな。普段の俺はお歳を召した所謂おばちゃんには可愛がられてるぜ?」

「そうでしょうね。若い男が商店街に買い物に行くんですもの」

 スーパーとかよりも物の品質がいいとかで商店街の方に行く。値段交渉とかもお手の物。ちょっと耳にしたのでは「俺は料理するけど、この魚を食べるのは完璧美女だからもうちょっと値段安くしてくんない?」とか言ってた。私を使って値引き交渉しないでよ!

 私はドレスから普段着に着替えるけど、ダルダルではない。まだメイクは落とさないし。颯斗には「顔の化粧具合と服の感じが合ってない」って言われたけど、仕方ないじゃない!颯斗にもすっぴん見せたくないし。

 あれ?颯斗は家政婦だからすっぴん見せてもいいのかな?いやいや、家政婦といえどもすっぴんは見せないよ。うん。

「そういえば、パーティー会場で久しぶりに匠に会ったでしょ?変わってないなぁ?」

「あいつはなんなんだ?」

 ふぇ?颯斗が怒ってる?

「幼馴染だけど、どうしたの?」

「幼馴染というとアレか?一緒に寝たり?」

「一緒に風呂に入ったり。懐かしいなぁ。家が近所でねぇ、家族ぐるみなのよ。本当に匠は変わってないあれじゃあ今後どうするんだろう?」

「一緒に風呂ってどういう事だ?お前、男と風呂に入ったのか?」

 颯斗が詰め寄ってくる。

「やだー、よく、非常によく間違われるけど匠は
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